令和7年度版土地白書が公表されました

賃貸経営の新潮流:空き家活用と賃料改定の戦略とは?
今回は、国土交通省が発表した「令和6年度 空き家対策モデル事業」の選定結果と、地価・賃料の最新動向から読み解く、今後の賃貸経営の戦略についてお届けします。
■ 空き家利活用による新たな賃貸可能性
令和6年度、全国162件の応募から選ばれた50件の空き家対策事業では、民間・自治体が連携し、空き家の除却・再生・利活用によって地域を活性化させる取り組みが多数採択されました。
▼ 採択事業の主な類型 ・空き家相談体制の整備と民間支援法人制度活用
・建材再利用やドローン管理などの新技術導入
・教育移住・子育て支援施設として空き家を再生
これらの事例は、賃貸物件の空室対策や地域ニーズとのマッチングに役立つ発想転換のヒントになります。
■ 地価上昇による資産価値の見直しタイミング
2025年公示地価は全国平均で前年比+2.7%の上昇。特に東京23区、福岡市、大阪市では+10%前後の伸び率を記録し、都市部では再開発やインバウンド需要が地価を押し上げています。
▼ 地価上昇が意味するもの ・保有物件の評価額見直し
・賃料改定・更新料設定の根拠強化
・売却・資産組替えの戦略的検討
■ 賃料改定のタイミングとその根拠
近年のインフレや建築コストの高騰を背景に、賃料の見直しは避けられない課題です。とはいえ、改定のタイミングを誤ると空室リスクを高める可能性もあります。
▼ 賃料改定に適したタイミング ・契約更新の2〜3ヶ月前(入居者が検討できる余裕を確保)
・設備投資やリフォーム完了後(物件価値向上のタイミング)
・周辺相場が上昇した直後(競合物件とのバランス調整)
▼ 通知時のポイント ・正当事由(税負担増、相場変動など)を明記
・視覚的資料(相場比較、設備改善効果など)を添付
・入居者メリット(Wi-Fi導入、防犯強化など)とセットで提示
■ 賃料改定は「納得感」がカギ
オーナーへの説明には、論理的・視覚的に納得感を提供する資料提示が求められます。
▼ 有効な資料例 ・近隣物件との賃料比較グラフ
・設備投資後の入居率改善データ
・地価推移・税務リスクの視覚化スライド
これらを活用することで、「値上げ=利益追求」ではなく、「物件価値の適正評価」であることを理解していただきやすくなります。
◎RER Agencyでは、有料にてスライド形式など、賃借人が納得しやすい“見える資料”をご提供しています。
豊富な実績と不動産専門の視点から、根拠ある説明資料をオーダーメイドでご用意いたします。
賃料改定時のコミュニケーション強化にぜひご活用ください。
■ まとめ
空き家利活用・地価上昇・賃料改定——これらはすべて、賃貸経営において「資産を守る」「収益を伸ばす」ための重要なピースです。タイミングと根拠を押さえた提案が、信頼と成果につながります。
次号では「賃料改定成功事例集」や「説明資料テンプレート」のご案内も予定しております。ご期待ください。


